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あたらしいBCCKSと電子書籍リーダー
- 2011-05-13 (金)
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■去年の夏ごろから開発スタッフとして参加しているBCCKSのマルチデバイス対応リニューアルプロジェクトでつくっているものが、なんとかようやく発表できる段階となり、6/2の発表会をひかえてそのあたらしいBCCKSでつくられた「本」をPCリーダーで読めるサンプルが公開されました。田中はこのPCリーダーの縦書組版をふくむレイアウトエンジンの実装や、新しいブックデータのフォーマット検討作業、あとサービス側のエディタなどもろもろを担当しております。ていうかまだ終わってないんですけどね。
- あたらしいBCCKSリーダー
- ※ちなみにWindows環境のかたはできればSafariで、フォント表示設定を「Wndows標準」から変更したうえで見ていただけるとベターです。
- さらにIPAフォントをインストールしておいたりするとモアベターです。こんな感じになります
計画とサービスの全容については発表会でみっちり発表されるはずなので6/2をお待ちいただければと思うんですけども、僕が担当してる電子書籍リーダーの技術方面については実際に開発にかかわってみて個人的に考えたところもあるので勝手に書きつけておこうと思います。
■電子書籍というものがすでにある音楽や映像の電子流通とやや事情がことなるところに、一般に「書籍」というものに、たんなるデータではなく「データを表象するデザイン」が期待されているという点があります。本質的にはデータストリームである音声や映像などとことなり、書籍はデータとしての内容が必要なのは当然ながらも、その可読性や内容の価値を説得するデザインやパッケージングがしつらえられて初めてそれなりの商品価値が生まれるのであり、もっというと商品価値に相応するデザインやパッケージングがなされた状態のもののことをわれわれは「書籍」と呼ぶことが多いはずです。
この「書籍」なるものにたいする期待に応えるべくいわゆる電子書籍やそのリーダーアプリケーションは提供されなければならないわけですけども、さらに困難なことに「書籍のデザイン」とされるものはそう単純なものではなく、いくつものレイヤーでのデザインが集約されていなければなりません。その最たるものが書籍における「ページ単位のデザイン」と「ドキュメント単位のデザイン」の関係です。このうち「ドキュメント単位のデザイン」については、htmlのマークアップとcssによるスタイリングというある程度枯れたWeb技術があり、現在本命といわれているリフロー型電子書籍フォーマットとされているものはどれもhtml+cssを採用してドキュメントをデザインしていますが、このドキュメント単位でデザインされたコンテンツにどうやって「ページ単位のデザイン」を定義すべきか、という問題については、現状の電子書籍技術およびWeb技術はミドルウェアどころかノウハウも蓄積されていないんじゃないだろうか、ということを僕は今回電子書籍リーダーを作りながら考えていました。Webの世界ではスクロールバーがあれば解決できていたことだからです。
電子書籍にスクロールバーがあったらいけないか、ということについては議論の余地がありますが、すくなくとも現状の「書籍」にたいする期待に添うものとは言えないでしょう。そして、立体物、物質としての魅力をもたない電子書籍にとって、唯一「書籍」としての商品性を主張できるのが「ページ単位でのデザイン」になるはずです。またそれは読書のインターフェイスとしての機能性(どんなデバイスでも最適に読めるとか、文字の大きさが変えられるだとか)もあわせもつ必要があり、しかもレンダリングをWebコンポーネントにおまかせできずドキュメントのパースから画像や文字のプロット、レンダリングまでをすべて面倒見る必要があるため技術的な難易度も高い〔面倒くさい)。電子書籍とそのリーダーにおけるページデザイン/レンダリングはおそらく最も重要な技術になりますが、たとえば現在策定中のEPUB3.0のドラフトを見ても、ページ単位でのデザイン、スタイリングに対する仕様や議論はほとんど出てこないように見えます(そこまで精読してるわけじゃないのであったら教えてください。あるいはEPUBは汎用の刊行物コンテナの仕様なので特定のビューに対する議論はしないみたいな方針なんでしょうか)。
というわけで、あたらしいBCCKSでは、リフローときれいなページレイアウトを両立させるべく、htmlの特定のマークアップパターンで分割されたテキストブロックごとに、版面設定、エレメントのページへの配置スタイルなどのページレイアウトスタイルを定義する独自仕様のスタイルシートを用意する、独自フォーマットを使用することにしました。独自フォーマットといってもコンテナの仕様はEPUB互換なので、EPUBリーダーむけスタイルシートを用意することでEPUBリーダーでも読むことができるものになる予定です。もちろん各デバイススクリーンの寸法や解像度に合わせたページレイアウトを多重定義して、それぞれに最適なページデザインでのレンダリングを行うiPhone/iPad/Androidアプリも開発中です(こっちは僕の担当ではないですが)。
今回開発にたずさわって書籍デザインのキモについてはじめて知ったり実感したことも多いのですけど、本のページデザインというのは、版面(はんづら:ページの中で組版を行う矩形領域)とそこに流れる本文サイズと行間というものをかなり固いルールとしてさまざまな条件を考慮して設計し、文字や写真をこの版面の矩形をなるべく満たすように配置しながら時にはずしたりすることで基調を保ちながら本としてのリズムをつくるところにあるのだそうです。こういうことはできるようにしてほしい、という条件を組み込んでようやくスタイルをテストできるようにしたリーダーをつい先日ご存知スタジオボイスを廃刊に追い込んだ前科二犯のグラフィックデザイナーこと松本弦人さんに渡したところあっというまにできてきたのが公開されてるサンプルブックです。

これを最初に見せてもらったときはテキストが「本」にデザインされるこういうことかーと思いました。この仕組みでの他のデザイナーの「本」がどうなるのかも見てみたいですなー。
まだサービスとして一般公開するには開発の難関をいく山か越えねばならないのですが、ひとまず6/2の発表会をご期待くださいませ!
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梅田望夫「ウェブ進化論」
■梅田望夫「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」を読んだ。当然ながら、基本的には知ってたりわかったつもりになっている話が書いてあったという感じだったんだけど、それでも十分わくわくしながら読めた。意味ありげな図とか表とかグラフの類はいっさいない(URLはあるけど。こういうのわざわざ入力して見ないよなー。どっかにリンク集ないんかしらん)。あくまでいま起きていることと、これから10年以内に起きるかもしれないことをそれぞれ読者に想像してもらおうということなんだろう。
個人的におもしろかったのはこのあたり。
私は、日本のメディア企業の幹部から公演を頼まれると必ず、(…)ウィキペディア日本版のそのメディア企業の項目に何が書かれているかを、幹部皆に見てもらう。(…)大概の質問は、誰が何の資格でこれを書いているのかということと、間違いも一部にあるから信用できないじゃないか、というところに落ち着く。そこで私は、幹部たちにどこが間違っているかを聞き、講演会場からリアルタイムでこの項目に修正を入れてしまう。
なーるほど。
■しかしこの本を読んでいてあらためて思ったのは、いまの状況で痛快なのは、よりによってgoogleなんて綴りも響きもいいかげんナメた名前の会社が、「IBM(International Business Machine)」とか「Microsoft」とかいったまがりなりにも通りのいい名前の巨大な会社を振り切って世界に君臨しつつあるってとこなんだよなー、と。したがって、「あちら側」の「本当の大変化」に備えてとりあえずわれわれは、googleよりもっとナメた社名を早急に考えていく必要がありそうだ。もうなんか、発音できないとか。コンピュータしか読めないとか。音がバンド名みたいな。あるいは社名がだれでも編集可能とか。
それでいうとさすがなのは、「はてな」ってやっぱわりといい線いってるのであった。梅田望夫も言っている。
二〇〇五年三月二八日に「(株)はてな」という変な名前の会社の取締役(非常勤)になった。
変な名前なのである。「はてなは日本のグーグルである(社名のセンスが)」と言っても過言ではないのかもしれない。
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別役実「犯罪症候群」
- 犯罪症候群 ちくま学芸文庫
- 別役 実 (著)
■id:brazilさんが別役実「日々の暮らし方」を紹介されていて、いっかいの別役ファンとして僕もマイフェイバリットを紹介したくなったので、勝手にバトンを受け取ってみようと思った(バトン?)。
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柴田元幸『翻訳教室』
■柴田元幸『翻訳教室』が大変におもしろい。
これ、日本語タイトルは『翻訳教室』といたってシンプルになっているけれど、表紙にある英文タイトルでは「Lectures on Literary Translation from English to Japanese」となっていて、内容は東大文学部での翻訳演習の講義内容を収録したもの。柴田元幸氏といえば東大教授にしてアメリカ現代文学の名翻訳家として絶大な影響力を持ち、またいっぽう弱腰な自身のパーソナリティを「弱腰だけには自信がある」とばかりに語る名エッセイでも知られる人物だけど、その柴田さん(あんまり「柴田先生」って感じじゃないのね)が学生といっしょに、現代作家の英語の文章を、その味わいをできるかぎり残しながらどんな日本語に訳したらいいかについて、ああでもないこうでもないと知恵を絞る模様をそのまま収録しているのがこの本だ。
僕もまだ全部読み切ってはないんだけど、とにかく刺激的。糸井重里『糸井重里の萬流コピー塾』とか枡野浩一『かんたん短歌の作り方』みたいな、お題に対する解答を達人が添削する、という本としても読めるし、すべてのレッスンについて原文と学生による試訳とその細部に関する議論、議論で添削された学生訳、さらに柴田さんの模範訳がそれぞれ載っていて、いろんな読みかたができたり勉強になったりして楽しいというのもある。でもそれよりやはりしびれるのは、柴田さんと学生の対話のなかで、作品としての英文に語られる「イメージ」というものが「きわめて厳密なもの」として扱われ、その厳密さを可能なかぎり同じ解像度の日本語に翻訳することに、どうにも不思議なほどの情熱が注がれている部分じゃないだろうか。僕なんかが読むとそれは、いわゆる文学への情熱というよりはもうちょっと自動的な、コードオプティマイズやスペックの大幅に違うハード間のプログラムコンバート(いわゆる「移植」!)へのハッカーやギークのむやみな情熱に、むしろ近しいように感じる。
ちなみに、村上春樹氏をゲスト講師に招いた講義も収録されていて、そのなかで村上氏がなぜかいきなりウェブ進化論を語っていたのでせっかくだし引用。
柴田 読者の声は聞かれますか?
村上 インターネットでウェブサイトをやっていたときには全部読みました。僕がそのときに思ったのは、一つひとつの意見は、あるいはまちがっているのかもしれないし、偏見に満ちているのかもしれないけど、全部まとまると正しいんだなと。僕が批評家の批評を読まないのはそのせいだと思う。(…)
村上 たとえばウェブサイトに批評家がメール送ってきたとしますよね。そうするとそこにメールが2000あったら2000分の1ですよね。よく書けている評論かもしれないけど2000分の1。僕がとらえるのもそういうことです。
柴田 たとえばそれが、新聞の書評なんかだと、あたかも一分の一のようにふるまってしまう。そういうことですね。
村上 そういうことです。だから僕がいつも思うのは、インターネットっていうのは本当に直接民主主義なんです。だからその分危険性もあるけれど、僕らにとってはものすごくありがたい。直接民主主義の中で作品を渡して、それが返ってくる。ものすごくうれしいです。だからインターネットっていうのは僕向けのものなんですね。(…)
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情報収集のための11の質問に答える
- 2005-12-02 (金)
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■情報収集のための11の質問に答えてみました。
RSSリーダーを使っていますか?(y/n)
はい。購読数は290くらい。
いまはFEEDBRINGERを使っています。
最初はbloglinesを使ってて、その後ちょっと前まではCEEK.JP RSS READERを平行して使っていたりしましたが、とくに意味もなかったのでFEEDBRINGERに一本化。新着はあんまりまじめに見ない(とくに英語圏のは)ので、極ヒマなときはだいたいおんなじフィードを入れてあるはてなRSSでそのときの新着を読み直したりします(はてなRSSは仕様が納得いかないのでメインでは使ってないけど、わりと個別の記事は読みやすいと思う)。
アンテナを使っていますか?(y/n)
はい。登録数114(かなり減った)
あるときRSSリーダで読めるサイトははずしたので。
ソーシャルブックマーク(SBM)を使っていますか?(y/n)
はい。MM/Memoをメインに。
あとはてなブックマークをバックアップ的に(del.icio.usにも同じブックマークレットで投稿してるけど、これはまったくメンテしてない)。
その他情報収集に使っているツールはなんですか?
mixiとか、webサービスの新着RSSとか。
mixiはコミュニティはあんまり入ってないけど、マイミクのみなさまの日記はいつも興味深く拝見してます。
あとwebサービスの新着RSSはわりとたくさん購読してます。これツール的ですかね。
それから自分用に、tracfeedとか、はてなブックマークの検索結果RSSとか。
他人にこれはお勧め!と思う方法は?
ブックマークレットは便利。
RSSリーダにしてもSBMにしても、ブックマークレットありきなとこがあると思うです。 ほかにもいろいろ(というほど使いこなしてはないけど)。
逆にこれはお勧めできないな、と思う方法は?
とくにないです。
情報収集で良く参照するサイトは?
MM/Memoのトップページはよく見ます。
はてなブックマークのホットエントリーにくらべていろんな情報が流れるのでおもしろい。 量もちょうどいいし。
自分のブログで良く言及・リンクするサイトは?
あまり人のサイトに言及してないです。
もちろん信用してたり楽しみにしているブログやサイトはたくさんありますが省略。
逆にここは参照してはいけない、と思うサイトは?
ないでしょう別に。
もちろん信用してなかったり軽蔑しているブログやサイトはたくさんありますが省略。
WEB以外で良く情報源にするものは?
雑誌とか
雑誌は大好きなのでなんでも常に読みます。立ち読みだけど。
最後にあなたが情報収集方法を知りたい人は?
情報収集の情報収集?
あんまり信用してないんですよね情報整理法とかアイデア術とか。 各人好きなようにするとよいと思います。
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